調理の際に出る生ゴミを片付けるのは、手間がかかり、面倒ですよね。
時間が経つと、ニオイやヌメりも出るのでお手入れも億劫になってしまいます。
しかし、ディスポーザーがあればそんな悩みも解決します!
近年、マンションの初期設備として人気がありますが、今回の記事では、
- ディスポーザーの仕組みと使い方
- ディスポーザーで流してはダメなもの
- ディスポーザーのメリット・デメリット
をわかりやすく解説します。
ディスポーザーとは?

ディスポーザーとは、キッチンのシンク下に設置されている生ごみを粉砕して処理する設備のことです。
生ごみやニオイが出ないので、手軽に処理ができ、衛生面にも優れています。
ディスポーザーの起源は、1927年に建築家で発明家のジョン・ハムス氏が、奥さんからの「生ごみを何とかしてほしい」という要望に応えるために生ごみ処理機を開発したことに始まります。
地面を掘って生ごみを埋める手間が省け、非常に便利で衛生的だとして、主婦たちから支持を受け、急速に普及しました。現在、アメリカの家庭での普及率は60%です。
一方、日本では1970年代にシャープ、松下電器、日立などの大手メーカーがディスポーザーを製造し、普及を進めました。しかし当時は、下水道処理の施設が大都市の一部にしか整備されておらず、普及率は20%以下でした。
下水に粉砕した生ごみを流すことが問題視され、下水道未整備地域では日本のメーカーによる自主的なディスポーザーの導入自粛が始まりました。さらに旧建設省の下水道部も、全国の自治体に「導入の自粛を呼びかけること」を指示しました。
その後、下水道や合併処理浄化槽の整備が進み、1997年には建築基準法に基づいて大臣認定を受けるに至りました。現在では、人気のあるキッチン設備の一つとして定着しています。
ディスポーザーの仕組みと使い方



野菜くずなどの生ごみをディスポーザーに投入し、スイッチを入れると、内部に搭載された刃(ブレード)で細かく粉砕され、水と一緒にそのまま下水に流れていく仕組みです。
ディスポーザーが粉砕したゴミを下水に流すまでの大まかなステップは以下の通りです:
- 野菜くずや生ごみをディスポーザーに入れる。
- 水を流してフタをし、スイッチを入れる(自動給水方式の場合は水が自動的に流れる)。
- 粉砕された野菜くずや生ごみは、水と一緒に専用の排水管を通って処理槽に運ばれる。
- 処理槽で微生物分解(バイオ処理)され、水は公共の下水道に流れる。
生ごみが下水道に流れると聞くと、環境に良くなさそうと感じるかもしれませんが、実際にはそうではありません。
粉砕された生ごみは、専用の排水管を通り、排水処理槽(浄化槽)で微生物によって分解された後に下水道に流れる仕組みになっています。これを「ディスポーザー排水処理システム」と呼びます。
ディスポーザーに流してはダメなもの



野菜くずや生ごみを粉砕して、手軽に処理をしてくれる便利なディスポーザーですが、流してはいけないものがあります。
配管のつまりの原因になってしまうため、以下の物は、ディスポーザーには投入せず、ゴミ収集に出してください。
強い繊維質のもの



バナナの皮やタケノコの皮など強い繊維質のものは、うまく粉砕できずにそのまま残ってしまうので、排水のつまりを引き起こす原因になります。
以下のものは流さないようにしましょう。
- バナナの皮やヘタ(OKなディスポーザーもあります)
- タケノコの皮
- 玉ねぎの皮(OKなディスポーザーもあります)
- パイナップルの芯や皮(細かくすればOKなディスポーザーもあります)
- 枝豆のサヤ(OKなディスポーザーもあります)
- 栗の皮
- 生花
固いもの



貝や甲殻類の殻など硬いものは、粉砕できないため、ディスポーザーの故障や水漏れを引き起こす原因になります。
以下のものは流さないようにしましょう。
- 貝類
- 甲殻類の殻
- 魚や肉の大きな骨
- トウモロコシの芯
- 柿、桃、カボチャなどの固い種
流れにくいもの



生米や卵の殻などはディスポーザーで粉砕されても、排水の配管内に堆積やすいため、つまりの原因になります。
しかし、他のごみと少しづつ混ぜて投入する場合はOKです。
- 生米
- 卵の殻
大量の熱湯や熱い食品



大量の熱湯や熱い食品を流してしまうと、ディスポーザーをいためたり、プラスチック部品が変形しまう原因になります。
冷ましてから投入するか、水を流しながら投入しましょう。
油



天ぷらや揚げものに使用した油などを流してしまうと、ディスポーザーや排水管の中で油が固まってしまい、つまりの原因になります。
ただし、鍋などに付着している程度の油では問題ありません。
以下のものは流さないようにしましょう。
- 大量の油
- 凝固した油
- 廃油
塩素系洗剤



ディスポーザーに塩素系洗剤を流すと、金属部分が腐食してしまう原因になります。
また、排水処理槽で微生物分解を行っているため、大量に流すと微生物が死んでしまい、排水の処理を妨げてしまいます。
その他



吸い殻、割りばしなどは、排水処理槽で処理ができないため、流さないでください。
- ビニール袋
- ラップ
- アルミホイル
- 吸い殻
- 割りばし
- 爪楊枝や串
- プラスチック
- 輪ゴム
ディスポーザーのメリット・デメリット
ディスポーザーを利用することによって得るメリットとデメリットについてご紹介します。
メリット
ゴミの量が減り、ゴミ出しの負担が減る



重いゴミ袋を持って、ゴミ出しをするのはなかなか大変ですよね。
ディスポーザーを使うと、ゴミの量が大幅に減りますから、ゴミ出しの負担が軽減されます。
さらに、焼却することで排出される二酸化炭素の量が減り、水分を多く含むゴミからのダイオキシンの発生も防げます。ディスポーザーは地球環境に貢献するキッチン設備です。
生ゴミの悪臭を防げる
ディスポーザーを使えば、生ゴミを粉砕して水で流すので、三角コーナーやゴミ箱に捨てる必要がありません。特に夏場などのニオイが気になる季節でも、生ゴミの悪臭を気にする必要がありません。これにより、キッチンで快適に調理や食器洗いができます。
害虫を防げる
ゴミ箱や三角コーナーに生ゴミを捨てると、コバエやゴキブリなどの害虫が発生してしまいます。
特に水回りのシンクやゴミ箱は害虫にとって快適な場所です。
ディスポーザーが設置されていれば、生ゴミをそのまま粉砕して水で流すので、その心配もありません。害虫を防ぐことができます。
三角コーナーを置かなくてもいい



ディスポーザーがあることで、三角コーナーを置く必要がないので、見た目がスッキリし、シンクのスペースも広くなります。
また、三角コーナーはヌメりが付着しやすいため、お掃除に手間がかかってしまいます。
ディスポーザーは、シンクをスッキリさせるだけではなく、衛生的にも清潔な状態を保つことができます。
デメリット
維持費がかかる



マンションでは初期設備として備えられていますが、戸建ての場合はマンションとは異なり、定期的なメンテナンスが必要ないため、特性を理解して、使用方法に注意が必要です。
光熱費がかかる
ディスポーザーを使用するには、水と電気が必要です。
1日3回の使用で水道代と電気代で年に120円程度上がるだけなので、そんなに心配はありません。
作動音がする
ディスポーザーのメーカーや種類によって異なりますが、作動させるとミキサーのような音が発生します。使用する時間帯を考慮しながら使用しましょう。
ディスポーザーの仕組みを理解して正しく使おう
ディスポーザーは生ゴミやニオイを軽減してくれるため、マンションの初期設備として人気があります。しかし、設置には条件があり、その仕組みを理解する必要があります。
また、ディスポーザーには何でも流して良いわけではありません。以下のようなものは特に注意が必要です。
- 強い繊維質のもの
- 固いもの
- 流れにくいもの
- 大量の熱湯や熱い食品
- 油
- 塩素系洗剤
これらを流すと、ディスポーザーのつまりや故障の原因になる可能性がありますので、注意が必要です。
ディスポーザーが完備されているマンションに引っ越しや設置を検討されている場合は、そのメリットとデメリットをしっかり把握しておくことが大切です。良好な環境と衛生を保つために、この記事を参考にしてディスポーザーの導入を検討してみてください。